…* The Cause of Santa Claus 10 *…


あっという間に聖夜が明けて、年に一度の朝が来る。
世界中の子供たちが、自分の枕辺を見て歓喜する、朝。
街のあちこちに、子どもたちの笑顔が溢れる、朝。
猫もまた、然り。



「僕、猫じゃらし入ってたーv」
「私は押し花。このお花、大好きなのよ」
「見て見て、おれ、ヌンチャク入ってた!」


教会では子猫たちがプレゼントを持って寄り集まって
それぞれの見せ合いっこをしている。
微笑ましい光景。

その一角で、一際高い歓声が上がる。
スキンブルシャンクスのいる辺りだ。
何だ何だと集まってきた猫たちが、口々に感嘆の声を漏らした。

当の本人はというと、手の中のプレゼントを見つめたまま
まだ一言も発していない。


「ご覧よ、スキンブルの眼。あんなに大きく見開いて!」


ジェニエニドッツの入れる茶々も、まったく耳に入らない。
嬉しさのあまり、胸が詰まって呼吸するのも忘れてしまいそう。


「よかったね、スキンブル」
「ぼく、こうゆう汽車の模型、ずっと前から欲しかったんだ!」


心底嬉しそうに、大事そうに、宝物を抱きしめるスキンブルシャンクス。


そのスキンブルの笑顔を
皆から少し離れた所から見て
何故か、タガーとマンカスは
自分がプレゼントをもらった時よりも、
嬉しいと、感じた。




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