…* The Cause of Santa Claus 7 *…
真っ暗闇の中
色々と
取り止めの無い事を考えて
眠りそうなタガーに
何度か声をかけて
眠りそうになったら
何度か声を掛けられて。
…こうし始めてから一体、どれくらい経っただろう。
「なぁ、やっぱり来ないんじゃ…」
いよいよおれが諦めかけた
その時
「しーっ!」
静かに静かに音も無く、
ドアから漏れた光の筋が
ゆっくりゆっくり、
おれ達の目の前に広がって、ゆく。
息を呑む、二匹。
光の幅がドアのそれと重なって
眩しい光に眼が眩んで
気配がゆっくり近付いて
そして…
ドアの向こうの光の中にいた影が
そろりそろり、
足音殺して近付いて、くる。
身動きできなくて、眼は光に慣れなくて、
良く分からないけれど
想像していたのよりは、小さな背丈
おれたちのよりは大きいけれど。
その影が、おれ達の枕辺まで近付いて
音も無く、二つの包みを床に降ろした
その瞬間
「!」
「捕まえた!」
狩りのような慎重さでギリギリまで引きつけて、
布団の中から伸びたタガーの腕が
サンタクロースの尻尾を捕えた!
勝ち誇ったような笑みを浮かべ、布団をはね除けるタガー。
その笑みが、間を置かずして驚愕の表情に変わる。
思わずおれも立ち上がる。
そこにいたのは
ランパスだった。